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デジカメ画像についての基礎知識です。
画像加工編(フォトレタッチ入門)
デジカメで撮影した画像の中には、思ったより暗く写ってしまった画像が時々あります。 これは「露出アンダー」と呼ばれる状態です。 デジカメ画像は「フォトレタッチソフト」を使うことで画像の明るさを整えることができますが、 白く飛んでしまった部分には情報が無いため、それ以上補正しようがありません。 したがって、白飛びを押さえるため、安全を見込んで「露出アンダー」となる設計のデジカメが多いようです。 |
Fig.1 露出アンダーの例 |
こうした画像を修正する場合、単に「明るさ」だけを増やすと、右の写真のように全体に白茶けたトーンの画像となってしまう場合があります。 これは、明るさを増やすことで、本来、明るさ「0%」の黒であるべき部分が、「10%」などと持ち上がってしまうために起こります。 |
Fig.2 明るさだけを上げた場合 |
こうした場合、「ヒストグラム」、「ガンマカーブ」を調整可能なフォトレタッチソフトを使うと、右の写真のような適切な明るさとすることができます。 ここでは、ヒストグラム調整について解説していきましょう。ヒストグラムとは下の図のような山型のグラフのことをいいます。 グラフの左端が明るさ0%の黒、右端が明るさ100%の白となっており、山の高さがピクセル数となっています。 つまり、ヒストグラムを見ることで明るさの分布が分かるのです。 |
Fig.3 適正な明るさ |
Fig.4
JASC PaintShopPro 5.0のヒストグラム
Fig.5
Adobe PhotoShop 5.0のヒストグラム
Fig.6
Micrografx PicturePublisher 8.0のヒストグラム
右側の図の状態で、ヒストグラム調整を実行すると、Fig.6のヒストグラムに変更されます。 画像の明るさが黒から白までまんべんなく揃ったものとなり、変換後の画像は、Fig.3となります。 つまり、明るさのみを上げた場合は、0%の黒が10%などに上がってしまい、白茶けた画像になるのに対して、ヒストグラム調整の場合は、0%の黒を保ちながら全体の明るさを上げることができるのです。 |
ヒストグラムの右端を左に移動 |
また、右側の例のように全体に低コントラストの薄暗い写真となってしまう場合もあります。 この画像のヒストグラムは、Fig.8のように、中央に山が集まった状態となっています。 このような明るい部分も暗い部分も無い画像のことを「眠たいトーン」などと呼びます。 |
Fig.7 眠たいトーン |
Fig.8 眠たいトーンの画像のヒストグラム例 |
これを修正するには、右側のようにヒストグラムの両端を切り詰めて山の端に移動させます。 すると、ヒストグラムは、Fig.9のように白から黒まで揃った状態となります。 |
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Fig.9 整えられたヒストグラム |
Fig.9のようにヒストグラムを調整した画像が右側のものです。 Fig.7に比べると、メリハリのあるしっかりした画像となっています。 |
Fig.7 眠たいトーン |
樹氷 |
ただし、すべての画像でヒストグラムを均等化する必要があるというわけではありません。 左の写真はヒストグラムが中央に集まっている典型的な低コントラストの画像です。 このような写真のコントラストを上げると、樹氷の神秘的な雰囲気はまったく失われてしまいます。 ヒストグラム修正の必要性はケースバイケースで変わります。 |
Fig.12 樹氷画像のヒストグラム |